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お願い

 投稿者:朝妻  投稿日:2009年11月 9日(月)06時56分25秒
返信・引用
  ご訪問ありがとうございます。
冒頭にお願いしてありますように、このコーナーは
続けて添削を希望する方は、回答日から起算して2週間以上空けて下さい。
ということで運用しております。
ご協力、宜しくお願いします。

http://www2.ocn.ne.jp/~riki/

 

皆さま11月1日

 投稿者:三代川  投稿日:2009年11月 2日(月)06時55分8秒
返信・引用
  長らくお待たせいたしました。ご依頼の添削依頼・質問への回答です。

ホームページ会員(HP会員)制のご案内
会員の種別
・HP会員 雲の峰は送りません。HPで見て下さい。年会費 6000円
HP会員は月刊「雲の峰」を送らない以外は俳誌会員と全く同じです。
・「雲の峰」の作品集、課題俳句など全ての欄に投稿できます。
・投稿作品は選句・添削し、「雲の峰」誌、およびHPに掲載します。
・HP会員は雲の峰の句会イベントなど全てのことに参加できます。

http://www2.ocn.ne.jp/~riki/
の、「雲の峰紹介・会員募集中」でご確認頂くか、三代川
17575miyokawajiro@jcom.home.ne.jp
あてにお問合せ下さい。


山歩さま
原句 白樺の木肌は白し夕紅葉
感想 俳句はあれもこれも語れない短詩形ですから、作者が何に焦点を
   当てているのかをはっきりとさせることが大切です。この句の場
   合の一考の余地がある部分は「色」。白樺の肌の色か紅葉の色か
   どちらか一つに焦点を当てたほうが作者の感動が読者に伝わりや
   すくなると思います。ここでは樺の肌の色をその空気の感覚で強
   調してみました。
添削 秋の日のことに明るき樺の肌
      (秋の日は秋の一日にも、秋の太陽とその光にもいう:角川 俳句
   大歳時記)


正憲さま
原句 一滴の水素と酸素秋の水
感想 確かに水は水素と酸素によって構成されていますが、その事実の
   何に詩情を感じたかがポイントとなります。俳句は言葉で遊ぶ文
      芸ですから遊ぶことを一概に否定はいたしませんが、基本は詩情
   であると思います。少量の水に秋を感じた詩情をポイントにして
添削 にじみ出て小流れとなる秋の水


TAKATORAさま
原句 藪虱つけ来し行動力は買ふ
感想 この場合だと「行動力」は「買う」けれども他の何かは「買わな
   い。ということになります。単純に行動力を評価するのであれば
   行動力「を」ということになるでしょう。という言葉遣いと同時
   に、この「行動力」という措辞が読者にはあいまいに感じられ、
   その状況などがイメージしづらくなります。この句の内容を感じ
   た時の状況をもう少し具体的に写生をしてください。
添削 抜け道を来しとズボンに藪虱


岩田勇さま
原句 小鳥来るこんな処に別天地
感想 感覚的には共感ができる内容ですが、別天地の表現がいま一つあ
      いまいです。そこの何が別天地であると感じたのかを、もう少し
      掘り下げて表現を考えてみてください。
添削 小鳥くる峡の十戸の集落に


せいちさま
原句 民宿の木の実時雨に暮れゆけり
感想 とこかの山里の宿での景でしょう。全体としてはできていると思
      いますが、一歩踏み込んで考えてください。民宿の文字をあえて
   使う必要があるか否か。俳句はわずか17文字で構成する詩です。
   この場合であれば「宿」だけで足りるのかもしれません
添削 杣宿に木の実降りつぎ暮れにけり


杉浦太一さま
原句 栗たんともらひて返す栗ごはん
感想 心情はよくわかる句ですが、○○をしてもらったから△△をした。
   というような報告的になってしまいました。ここは栗か栗ご飯の
      どちらかに焦点を絞って表現をしてみましょう。
添削 栗飯の天にひとつを乗せもらふ


ふう子さま
原句 秋天へ半音狂ふハーモニカ
感想 句意としては音程のくるっているハーモニカの音が秋空に登って
      行っているということを表現したいのだと思いましたが、このま
      まですと、半音狂ったハーモニカそのものが秋の空に登っていく
      ということになってしまいます。ここは二句一章で
添削 秋天や半音狂ふハーモニカ

高円寺さま
原句 日いちにち冬に近づく入り日かな
感想 俳句は短い詩形です。そのために先人たちはいろいろな言葉を紡
   いできました。この句の上五、中七の感覚は「冬隣」「冬近し」
   などを季語として使ってきています。
添削 冬近し日に日に入り日衰へて

敏子さま
原句 秋うららグランドゴルフ賑やかに
感想 皆さんでワイワイと言いながらのグランドゴルフを楽しまれたの
   でしょう。賑やかにやっていることを読者に想像してもらうよに
   したいものです。中八になってしまいましたが
添削 秋うららグランドゴルフを小半日


宮本さま
原句 栗剥くや奥の細道読み止めて
感想 奥の細道を読んでいる途中に栗を剥いたという内容で、奥の細道
   の須賀川のあたりを詠んでいてのことかななどと思いました。
   このままで結構です。


園田茂さま
原句 秋晴れの空にぴたりと大極殿
感想 秋晴れと大極殿の鮮やかな色合いの対比が思わず「ぴたり」とい
   わせたのかもしれませんが、ぴたりと合っているという作者の感
   想を読者に押しつけてしまっているように感じます。読者がその
   ように感じられるようにその情景をもう少し写生してみましょう
添削 秋天に鴟尾きはやかな大極殿

奈津さま
原句 灯灯親し鉛筆の芯尖らせて
感想 「灯灯親し」は「灯火親し」の誤記だと思います。句会では誤記
   はそのままで句座の皆に選句をされます。お気を付け下さい。誤
   記を訂正したもので
添削 灯火親し鉛筆の芯尖らせて


淳子さま
原句 亡き母を想ひ出したるけふの月
感想 しみじみとお母様を思っている作者の感情は理解できますが、お
   母様を想い出しているということを直接言わずに表現できないで
   しょうか。
添削 十三夜われの身ぶりに母の癖


広さま
原句 秋気澄む美空ひばりのビブラート
感想 美空ひばりの歌をカラオケで歌おうとすると結構難しいものが多
   いようです。やはり天才だったのでしょう。秋の空気とひばりの
   節回しの取り合わせ。このままで結構です。



投稿の皆様ありがとうございます。これからも皆様方の投稿お待ちいた
しております。
杉浦太一さま、お高円寺さま、ふう子さま、朝子さま、便りをありがと
うございます。
俳句は17文字の自分詩、そして1日1行の自分史。これからも楽しん
で参りましょう。
 

まとめ 11月1日

 投稿者:三代川  投稿日:2009年11月 2日(月)06時52分21秒
返信・引用
  ご訪問ありがとうございました。
皆さまの投稿をまとめさせていただきました。


夕紅葉投稿者:山歩投稿日:2009年10月31日(土)
白樺の木肌は白し夕紅葉
蓼科高原の斑模様の白樺の木が夕日に照らされて黄葉がとても
綺麗だった。ご指導よろしくお願いします。

秋水投稿者:正憲投稿日:2009年10月29日(木)
一滴の水素と酸素秋の水
ご指導の程お願いします。

(無題)投稿者:TAKATORA投稿日:2009年10月26日(月)
藪虱つけ来し行動力は買ふ

ご指導ねがいます投稿者:岩田勇投稿日:2009年10月26日(月)
小鳥来るこんな処に別天地

木の実時雨投稿者:せいち投稿日:2009年10月26日(月)
民宿の木の実時雨に暮れゆけり
よろしくお願いします。

添削をお願いいたします投稿者:杉浦太一投稿日
栗たんともらひて返す栗ごはん

ご指導ありがとうございました。投稿者:杉浦太一投稿日
懇切なご指導をいただきありがとうございました。
これからもよろしくお願い致します。

ご指導お願い致します投稿者:ふう子投稿日:2009年10月24日(土)
秋天へ半音狂ふハーモニカ
公園での景だったのですが・・・

入り日投稿者:高円寺投稿日:2009年10月23日(金)
日いちにち冬に近づく入り日かな
ご指導よろしくお願い致します。

無題投稿者:敏子投稿日:2009年10月23日(金)
秋うららグランドゴルフ賑やかに

添削お願いします。

ご指導願います投稿者:宮本投稿日:2009年10月22日(木)
栗剥くや奥の細道読み止めて
宜しくお願い致します

(無題)投稿者:園田茂投稿日:2009年10月18日(日)
添削よろしくお願い致します。

添削投稿者:園田茂投稿日:2009年10月18日(日)
秋晴れの空にぴたりと大極殿

添削お願いいたします投稿者:奈津投稿日:2009年10月17日(土)
灯灯親し鉛筆の芯尖らせて
お願いいたします。

(無題)投稿者:仲山投稿日:2009年10月16日(金)
先ほどの俳句は取りやめにしとございます

ハワイ投稿者:仲山投稿日:2009年10月16日(金)
ハワイ島ダイヤヘットや秋の空

添削のお願い投稿者:淳子投稿日:2009年10月15日(木)
亡き母を想ひ出したるけふの月
よろしくご指導お願いいたします。

添削をお願いします投稿者:広投稿日:2009年10月14日(水)
秋気澄む美空ひばりのビブラート

渡り切る間を投稿者:高円寺投稿日:2009年10月12日(月)
ご指導ありがとう御座いました。
格助詞の用法の勉強になりました。

お礼投稿者:ふう子投稿日:2009年10月12日(月)
お忙しい中を有難うございました

お礼投稿者:朝子投稿日:2009年10月11日(日)
添削有難うございました。
季語の秋思と愁思の違いがよくわかりました。
また背の送り仮名のことも大変勉強になりました。


投稿の皆様ありがとうございます。これからも皆様方の投稿お待ちいた
しております。
 

お礼

 投稿者:せいち  投稿日:2009年10月10日(土)10時32分51秒
返信・引用
  またしても報告調になっていたとは・・・、
それにしても要点を突いて素晴らしい添削。

本当にありがとうございました
 

皆さま/添削10月10日

 投稿者:三代川  投稿日:2009年10月10日(土)08時05分10秒
返信・引用
  長らくお待たせいたしました。ご依頼の添削依頼・質問への回答です。

まとめのタイトルを間違えて記入したため紛らわしいタイトルとなり
申し訳ありません。

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山歩さま
原句 懸崖の菊見るときは一歩後
感想 自分の動作を客観的な視点でとらえています。俳句を作る上では
   この視点が非常に重要です。一歩下がって眺める懸崖の菊。色、
   形、香などいろいろと想像をさせてくれます。
   「見るときは」の「は」ですが、これは「他と区別し対比的に取
   り上げる」働きがあります。つまり「そうするに限る」というよ
   うな意味合いが強くなります。としますと、かなり理屈っぽくな
   ってしまいます。
   同時に「一歩後」は言葉足らずの印象があります。「後」ではな
   「さがる」という動詞を入れるべきところ。破調になりますが
添削 一歩さがりて懸崖の菊眺む

ふう子さま
原句 紅葉山暮六つの鐘谺して
感想 紅葉狩りでの景でしょう。夕方六時。紅葉の時期はすっかり暗
   くなる時刻です。もちろん紅葉狩を楽しむような時刻ではあり
   ません。紅葉山もすっかり暗くなって……。そこに時を告げる
   鐘の音。しみじみとした景の取り合わせだと思います。
   このままで結構です。

せいちさま
原句 越後路に地産地消の新酒酌む
感想 全体として「どこどこでなにをやった」という報告調になったし
      まいました。作者としては県内でしか飲めない希少な酒のことを
      言いたかったのかもしれませんが、酒どころ越後の新酒を楽しん
   だことだけにしてみました。
添削 春日山訪ひて越後の新走り

朝子さま
原句 煙草吸ふ夫の背なの愁思かな
感想 煙草のみにとっては生活しづらい世の中になってしまいました。
   会社で私は7階から地下2階まで移動をして煙草を吸っています。
   煙草のみにとって煙草は喜怒哀楽の友です。作品としては良いと
      思いますが、「背」一文字で「せな」と読みます。「な」の送り
      は必要ありません。また「愁思」は言葉としてはありますが、季
      語とはなりません。季語であれば「秋思」となります。
添削 煙草吸ふ夫の背の秋思かな

杉浦太一さま
原句 背丈越す薄の海に溺れゐる
感想 箱根の仙石原には大きな薄原があり。その丈は人の姿を隠すほど
   です。そのような薄原を海に例えての作品ですが、溺れるとの比
   喩は少し大袈裟になった感があります。
添削 父も子も薄の丈にかくれけり

高円寺さま
原句 渡月橋渡り切る間の秋時雨
感想 時雨は本来、京都周辺の独特の気象。雲の流れが速く、降ったか
   と思うと日が射しということが連続して起こる天気です。その時
   雨の感じが「渡り切る間」の措辞によくあらわされています。
   「秋時雨が降る」の「降る」を省略したい所ですが、「間の」の
   「の」は、主として名詞を受けて名詞につなげる働きがあります。
   そこで動詞につなげる働きのある助詞「を」に登場して貰います。
添削 渡月橋渡り切る間を秋時雨

岩田勇さま
原句 白秋や明治の匂ふ郷土館
感想 読者としていま一つ理解できないところが「明治の匂ふ」という
   ところ。郷土館のどのような所に明治時代を感じたのかを写生の
   眼で見て下さい。明治と特定はできないかもしれませんが、歴史
   を感じさせる建物として表現してみました。
添削 秋日濃し煉瓦造りの郷土館


船越寿美子さま
原句 病状の良好なりや枇杷甘し
感想 お加減が良いご様子何よりです。良くなってきている体調に気力
   もともなってきている様子が「良好なり」という力強い表現に表
   れているように思います。
   ただ「良好なりや」としますと、問いかけ、疑問の意味合いが出
   てしまいます。
   また甘しと最終的な感慨を言ってしまいますと、読者としてはそ
   れ以上の鑑賞ができなくなってしまいます。余韻を持たせる意味
   で最終的な感慨はできるだけ伏せます。
添削 快方に向かふ日々なり枇杷を剥く

投稿の皆様ありがとうございます。これからも皆様方の投稿お待ちいた
しております。
無骨さま、朝子さま、仲山さま、園田茂さま、せいちさま、杉浦太一さ
ま、宮本さま、高円寺さま、ふう子さま、淳子さま。お便りをありがと
うございます。
俳句は17文字の自分詩、そして1日1行の自分史。これからも楽しん
で参りましょう。
 

皆さま10月10日

 投稿者:三代川  投稿日:2009年10月10日(土)08時00分42秒
返信・引用
  菊投稿者:山歩投稿日:2009年10月8日(木)
懸崖の菊見るときは一歩後
ご指導よろしくお願いします。

ご指導お願い致します投稿者:ふう子投稿日
紅葉山暮六つの鐘谺して
(暮六つの鐘の谺や紅葉山)とも。
推敲して迷いました、よろしくお願い致します。

新酒投稿者:せいち投稿日:2009年10月6日(火)
いつもお世話になります。
越後路に地産地消の新酒酌む
添削よろしくお願いします。

お礼投稿者:無骨投稿日:2009年10月5日(月)
添削どうもありがとうございました。
おかげで「神樟」の語句を知らず、随分勉強になりました。

添削お願い致します投稿者:朝子投稿日:2009年10月5日(月)
煙草吸ふ夫の背なの愁思かな

添削をお願いいたします投稿者:杉浦太一投稿日:2009年10月5日(月)
背丈越す薄の海に溺れゐる

秋時雨投稿者:高円寺投稿日:2009年10月4日(日)
渡月橋渡り切る間の秋時雨
ご指導よろしくお願いします。

ご指導ねがいます投稿者:岩田勇投稿日:2009年10月3日(土)
白秋や明治の匂ふ郷土館

肌寒し投稿者:仲山投稿日:2009年9月30日(水)
添削有り難う御座いました

添削のお礼投稿者:園田茂投稿日:2009年9月29日(火)
お忙しいなか、添削を賜り、誠に有難うございました。
単に写生するのも、やっとの自分ですが、じっと見つめる、
案じるということが、先生の解説で大切であるとことが、
理解できました。

お礼投稿者:せいち投稿日:2009年9月26日(土)
色々と考えて却って大仰にしてしまったようです。
単に「神の在する」で良かったのか・・・
了解です。ありがとうございました。

添削ありがとうございました。
投稿者:杉浦太一投稿日:2009年9月26日(土)
いつもながら、懇切なご指導をいただきありがとうございました。

御礼投稿者:宮本投稿日:2009年9月25日(金)
添削誠に有難う御座いまます。
云われて見れば、推敲の足りなさを痛感する次第です。
誠に感謝に耐えません。

御礼投稿者:奈津投稿日:2009年9月24日(木)
いつも添削をしていただくのがとても嬉しくて待ちます
思いがけなき視点で変わるとやはりとうなづきます。
有難うございました

無題投稿者:船越寿美子投稿日:2009年9月23日(水)
病状の良好なりや枇杷甘し
添削をお願いします投稿者:広投稿日:2009年9月23日(水)

掛けては?投稿者:高円寺投稿日:2009年9月22日(火)
毎回のご丁寧なご指導、有難う御座います。
但し、添削句「コスモスや掛けては主を待つ小犬」
は「コスモスや駆けては〜」と了解します。

お礼投稿者:ふう子投稿日:2009年9月21日(月)
お忙しい中を有難うございました。

添削のお礼投稿者:淳子投稿日:2009年9月21日(月)
ご指導ありがとうございました。
内面の気持ちの表現がなかなかできません。
添削していただきますと、良い句になり
嬉しく思います。

投稿の皆様ありがとうございます。これからも皆様方の投稿お待ちいた
しております。
 

皆さま9月20日

 投稿者:三代川  投稿日:2009年 9月21日(月)09時15分21秒
返信・引用
  長らくお待たせいたしました。ご依頼の添削依頼・質問への回答です。

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淳子さま
原句 主去りし荒れたる庭の時鳥草
感想 人が住んでいいない荒れた庭に時鳥草が咲いている。景として寂
   しい物を感じますが、表現として使われている言葉が一般的なも
   のですので、作者の感動の焦点がいま一つ読者に伝わってきづら
   らいように感じます。もう少しこの景の背景などを具体的に表現
   してみるのも良いかもしれません。
添削 離農せし板戸の釘や時鳥草


無骨さま
原句 片陰に休みて遥か笛太鼓
感想 夏祭を遠くで聞いている風景でしょうか、この場合季語を何にす
   るのかということは難しいところです。片陰(夏の季語)は日蔭
   ができない日中などにできる陰などのことです。この作品の雰囲
   気では日陰の中で休みながら祭笛や太鼓の音をのんびりと聞いて
   いるという雰囲気ですので祭を季語としましょう。
添削 神樟に休みて聞きぬ祭笛


ふう子さま
原句 朝市に日の匂ひする干し芋茎
感想 この頃になって芋茎の煮物などがおいしいと思います。この作品
   は干し芋茎を朝市で売っているところのスナップ。句としての骨
      格は出来上がっていますが、「匂ひする」の「する」が口語調。
     「する」をとります。
添削 朝市の日の匂ひ濃き干し芋茎


せいちさま
原句 山頂に神ぞ御座せる狭霧かな
感想 どこのことかは一切わかりませんし、そのご神体の姿、形すらわ
   かりません。ただその頂の霧のなかに神様がいらっしゃることだ
   けがこの作品の焦点です。十分に焦点の絞れた作品と共感します。
   言葉全体が大仰という印象ですので
添削 山頂に神の在する狭霧かな

宮本さま
原句 ちちろ鳴く場末の小さき楽器店
感想 俳句では17文字の短詩ですから言葉の重複を極力少なくします。
   この作品の場合であれば、「場末」「小さき」はどちらかの言葉を
   聞くとどちらかの事も読者は連想できます。その意味でこの言葉
   のどちらかを削ってみましょう。なお、場末という言葉は余りい
   い印象を与えません。使わない方がいいです。
添削 ちちろ鳴く間口の狭き楽器店


岩田勇さま
原句 老人も猫も屯す浜の秋
感想 夏の喧騒がうそのような秋の浜辺の景色。雰囲気としては残暑を
   越した秋も半ば以降の感じがします。「も」は一つだけではなく、
   他にもあるということを強調する言葉ですがここはさらりとした
   表現でいかがでしょうか。
添削 老人と猫の屯す秋の浜


園田茂様
原句 ベランダに生命の尽きし秋の蝉
感想 ベランダに見た死んでいる蝉。蝉の生態を考えまた盛夏ではない
   秋の蝉と考えると、哀れさを一層感じます。この作品の場合はそ
   の景を見たまま写生しました。しかし、何か発見といいますか、
   作者なりの詩情把握が欲しいところです。
添削 秋蝉の骸に朝の光かな


山歩さま
原句 御下がりの蜜の滴る桃を剥く
感想 桃を剥くときにいつも手こずります。林檎のように皮をむくとせ
   っかくおいしいところが減ってしまうし恰好は悪くなるし困って
   います。この作品はその桃を剥いている様子。どうしても御下が
   りという言葉を使わなくてはいけないでしょうか。ここは桃を剥
   いていることに集中してみました。
添削 両の手で蜜したたらせ桃を剥く


高円寺さま
原句 大き犬連れコスモスの風の中
感想 大型犬との散歩の風景。その時の情景をそのまま客観的に詠まれ
   ています。ただし報告調という域を抜け出せていない印象です。
   一歩踏み込んで、詩情(感動や発見や驚き)を探します。例えば
   掛けだしては飼い主を待つ小さい犬がいたとして
添削 コスモスや掛けては主を待つ小犬

広さま
原句 山栗や日向ぼっこの亡父(ちち)想ふ
感想 亡父とかいて「ちち」、娘と書いて「こ」やなどと読ませること
   がありますがこれは明らかな間違いです。亡父は「ぼうふ」です
   し、娘は「むすめ」としか読めません。このことは例句の中にも
   たくさんありますが、俳句だからと言って日本語の間違った読み
   方が許されるということではありません。
   また、「山栗」(秋)、日向ぼっこ(冬)と季重なりになってし
   まいました。季重なりは絶対に悪いということはないのですが、
   句の焦点を絞る意味で季語を整理してみました
添削 山栗や日にまどろみし父をふと


弥太郎さま
原句 対なして神の池打つ蜻蛉かな
感想 対をなすということが二つが並んで飛んでいるのか、そうではな
   く交尾をしてる状態なのかがよくわかりませんでした。ここでは
   交尾をしながら飛んでいるということにしました。
添削 交尾みつつとんぼう神の池を打つ   交尾み=つるみ


正憲さま
原句 二百十日水すれすれの岩の上
感想 二百十日は厄日ともいわれ昔から大雨や大風になる日とされてい
   ます。この作品の場合はその日の水量が天辺近くまで増している
   岩に立っているのでしょうか。ただしこのままではその状況は読
   者にうまく伝わりません。
添削 二百十日の流れの中に竿を持つ


杉浦太一さま
原句 海原の巨船の行く手雲の峰
感想 一般的に飾った言葉やしゃれた言葉を句の中で使うと成功する確
   率は低いものです。「海原」「巨船」からそんなことを感じてし
   まいました。もっと具体的に
添削 沖に向くコンテナ船や雲の峰


仲山さま
原句 肌寒し起こされ朝の秋の声
感想 肌寒し(秋)と秋の声(秋)との季重なりです。句作りにはまず
   歳時記を読み、季語を確認しましょう。
添削 肌寒し丁寧に拭く朝の卓


奈津さま
原句 萩こぼれ誘いし風の供花となり
感想 こぼれた萩が風の供花になったというように読めますが、風の供
   花ということが情緒的すぎて読者に理解しきれないように感じま
   す。
添削 野仏の供花ともなりぬこぼれ萩


投稿の皆様ありがとうございます。これからも皆様方の投稿お待ちいた
しております。

せいちさま、宮本さま、ふう子さま、朝子さま。
メッセージをありがとうございました
俳句は17文字の自分詩、そして1日1行の自分史。これからも楽しんで参りましょう。
 

皆さま8月30日

 投稿者:三代川  投稿日:2009年 8月30日(日)09時49分29秒
返信・引用
  長らくお待たせいたしました。ご依頼の添削依頼・質問への回答です。

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せいちさま
原句 いつか見たやうな町並み赤とんぼ
感想 既視感・デジャヴという言葉があります。一度も経験したことが
   ないことであっても、すでに経験をしたことがあるように感じる
   ことです。掲句、赤とんぼが漂っている夕暮れの街でしょう。そ
   のような情景は脳の深層にある記憶を刺激するのでしょう。
   ふっと賜ったような感覚の句です。このままで結構です。


ふう子さま
原句 青胡桃山深くしてロープウエイ
感想 掲句に句点を打つと「青胡桃。山深くして。ロープウエイ」とな
   り、三段切れとなってしまいます。「深くして」の「して」は動
   詞に続ける言葉ですが、しかし「して」を受ける動詞がありませ
   んので結果的に三段切れとなってしまうのです。
   ロープウエイのゴンドラから見えた景色を写生してみました。
添削 ゴンドラの窓すれすれに青胡桃


岩田勇さま
原句 新涼の御輪響き来たりけり
感想 五六五の字足らずの句になってしまいました。もしかすると中は
   「御輪の響き」だったのかもしれません。作者はゆるやかに響き
   くる御輪の音色に初秋の涼味を感じました。その余韻を表現して
   みるとこんなようになるでしょうか。
   ただ御輪という言葉が一般的ではありません(辞書にも採録され
   ていない)ので伝わりにくい作品になります。
添削 新涼や御輪しづけき尾を引きぬ


宮本さま
原句 お別れに蝉が網戸に飛んできし
感想 秋蝉の風情でしょう。光に誘われるように網戸に飛んできた蝉。
   作者はその蝉の姿に夏の終わりと短い命への哀しみを覚えたので
   しょう。掲句の表現ですが「お別れ」という口語と「きし」とい
   う文語が混在してしまいました。一句の中での混在は表現として
   おかしなものとなってしまいます。また、お別れの「お」ですが、
   句を甘くしてしまいます。
   蝉と網戸の季重なりもいけません。
添削 秋蝉の鳴き移りつつ離れけり


高円寺さま
原句 秋暑しべんがら色の中華街
感想 色彩感覚には明らかに国民性があるようです。日本人の微妙な色
   彩感覚は江戸時代の服飾の中で確立したようで「48茶 100
   鼠」というように、一つの色の微妙な変化を楽しんだようです。
   掲句の場合、「べんがら」で赤色のことを言いますので「べんが
   ら色」という必要はありません。
添削 べんがらのあふるる街や秋暑し


こーじさま
原句 網戸越し10センチ先の生演奏
感想 たぶん、網戸のそとの虫の鳴く様子を詠まれているのだと思いま
   すが、その内容がうまく読者に伝わってくれません。ひとつには
   「生演奏」というちょっとしゃれた表現(擬人化)が凝りすぎの
   印象。つまり思いが強すぎて、読者は共感しにくいといことでは
   ないかと思います。
   ここでは虫の鳴く様子をもう少し観察し、作者としてどこに感動
   や発見があったのかを絞り込んで表現をすることが大切です。
添削 虫すだくなかに鳴きやむものありぬ


広さま
原句 西瓜切る片方妻が手を添へて
感想 情景がわかるようでいま一つはっきりとしません。これを文章で
   表現しますと
    西瓜の片方を妻に抑えて貰って西瓜切る。
   ということですが、それでも「片方」をどう言うふうに抑えても
   らったのか判然としません。
   たとえばとても大きい西瓜を切るとき奥さんの手を借りたという
   くらいであれば通じるように思います。
添削 妻の手を借り大西瓜切りにけり


利祥さま
原作 居酒屋で熱き議論の暑気払ひ
感想 「どこどこでなになにをした」という報告の感じがします。また
   「熱き議論」という措辞が一般的で使いつくされている言葉であ
   るがゆえに句意をあいまいにさせてしまっています。
添削 居酒屋の選挙談議も暑気払ひ


朝子さま
原句 うきうきと川辺へ急ぐ揚花火
感想 今年は不景気の影響で各地で花火大会が中止されたとか。こんな
   時期だからこそ元気づけが必要なのになどと思っています。掲句、
   ご主人との花火見物の情景。作者の心の弾みが「うきうき」とい
   う生の形容詞でひょうげんされています。そこを一歩抑えてその
   時の心の弾みを表現してみましょう。
添削 たまさかに手の触れあへる花火の夜


峰世さま
原句 お隣の風鈴眠気を誘いけり
感想 良い着眼点だと思います。ただ俳句の中で「お隣」「お茶」「お正
   月」などの「お」を使うことんは十分気を付けてください。どうし
   ても表現としてあまくなってしまいます。この場合であれば「隣家
   (りんか・となりや)」などと表現できるでしょう。今回は真夏の
   昼下がりのけだるさが表現できればと思いました。
添削 風鈴の間遠く聞こゆ昼下がり


仲山さま、杉浦太一さま、奈津さま、宮本さま、岩田勇さま、高円寺さま、
せいちさま、淳子さまメッセージをありがとうございました
俳句は17文字の自分詩、そして1日1行の自分史。これからも楽しん
で参りましょう。
 

皆さま8月14日

 投稿者:三代川  投稿日:2009年 8月14日(金)11時28分32秒
返信・引用
  長らくお待たせいたしました。ご依頼の添削依頼・質問への回答です。

ホームページ会員(HP会員)制のご案内
会員の種別
・HP会員 雲の峰は送りません。HPで見て下さい。年会費 6000円
HP会員は月刊「雲の峰」を送らない以外は俳誌会員と全く同じです。
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・投稿作品は選句・添削し、「雲の峰」誌、およびHPに掲載します。
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の、「雲の峰紹介・会員募集中」でご確認頂くか、三代川
17575miyokawajiro@jcom.home.ne.jp
あてにお問合せ下さい。

高円寺さまのご質問に対する回答
  HPで添削をされた句を雲の峰以外の句会や句誌への投句についてご
 質問いただきましたが、雲の峰会員でしたら雲の峰誌に投稿するのは
  構いません。(雲の峰としての俳句の考え方にのっとり添削をしている
  ため)ただし、他の句会は会誌に投稿するのは投稿先に対して大変失礼
  なことになると考えます。俳句に対する考え方はそれぞれの主宰・指導
 者によって異なると考えます.


弥太郎さま
原句 遠望の海に浮くかに赤とんぼ
感想 良い景をごらんになりました。すかさずそれを一句に。このままで
   結構せすが、言葉の順序を少し変えて整えてみました。
添削 赤とんぼ遠見の海に浮かぶごと


淳子さま
原句 秋立てり病棟の夜のしじまかな
感想 立てりの「り」は助動詞のラ変の活用で、掲句の場合は終止形で
      すので「秋立てり。病棟の夜のしじまかな」と二句一章の表現と
      なります。ただし、内容的には二物の衝撃での詩情を表現するも
      のではなく、一句一章で表現をしたほうが読者には伝わりやすい
      内容です。なお、「かな」は一句一章を受けるときに最も効果的
   という側面もあります。
添削 初秋の夜の病棟のしじまかな


ふう子さま
原句 白南風や腑をゑぐらるる船巡り
感想 白南風(しろはえ)は梅雨が明けた後、夏空が明るく晴れ渡り、
      南東方向から吹いてくるさわやかな季節風のこと(角川俳句大歳
      時記)。のことです。季語の持つ本意本情としては「梅雨明け後
      のさわやかさ」ということになります。また、中七、下五の表現
      船酔いとまで読者に読ませるには少し無理がありそうです。ここ
   は白南風の海の様子に着眼して。
添削 白南風の思ひのほかの波高かな


せいちさま
原句 仲間みな色それぞれのかき氷
感想 かき氷の色は原色。絵具を溶かしたような色です。その様子を詠
   んでいるわけですが、少し説明調になってしまった感があります。
   独特の色合いのことを言わずに表現をしてみましたがいかがでし
   ょうか。色の強烈なこと、その場面を最も強調できる場面を思い
   出しますと、例えば子供たちの様子が浮かんできます
添削 舌を見せ合うて子たちやかき氷


杉浦太一さま
原句 鉢植の稲に花咲くビルの屋根
感想 子供さんの研究用の稲でしょうか。小さな鉢に一株の稲。その一
   株の稲に純白の稲の花。そこに作者は目を付けました。作り方と
   して「どこどこになにがある」というような報告調をさけてみま
   した。
添削 屋上の鉢に明るき稲の花


宮本さま
原句 見詰られ尾鰭て応ふ屑金魚
感想 見つめられて金魚が尾鰭で答えてくれたと感じた作者。でもそれ
   は作者の主観です。ここは金魚に注目して金魚がどのようだった
   かを写生してみます。その写生の中に作者のまなざしが反映され
   るはずです。
添削 屑金魚てふも尾鰭のはなやげり


仲山さま
原句 朝顔の青は石崖はいのぼる
感想 朝顔の青は……の「は」ですが、これは他と区別する意味があり
   ます。「この花は赤い」と言った場合には他の花は赤くない……
   という意味を含むのです。そんな意味で「は」に一考を要します。
   青はとわざわざ言うからにはそれ相応の理由が必要となります。
   ここでは咲いている朝顔を少し丁寧に見てみました。
添削 天辺の朝顔ことに濃き色に


岩田勇さま
原句 三日三夜卯の花腐し腐しかな
感想 ご自身でもおっしゃっていますが、一句の中にリフレインの表現
   が二回もはいるとさすがに重たく感じます。「卯の花腐し」の本
   意本情に二三日続く長雨ということが入っていますから、この句
   の場合は季語を二重に説明してしまったこととなります。季語が
   読者に伝えてくれる季感を信じて句をおつくり下さい。
添削 玻璃越しの音の卯の花腐しかな


高円寺さま
原句 水涼し色の行き交ふ鯉の池
感想 涼しの季語は「暑い夏の一日のなかで、おもいがけず涼しさを覚
   える……」(角川大歳時記)ことです。その意味で水涼しの措辞
   が涼しさのダメ押しのように感じます。池の様子のどこに涼しさ
   を感じたかを焦点を絞ってみました。
添削 松影やぶちを涼しく鯉泳ぐ


広さま
原句 盆踊り声が自慢の最長老
感想 レコードではなく本物の声での盆歌。掲句の盆踊りは踊りのこと、
   声が自慢となると盆歌となります。声自慢の声はどの様な声だっ
   たでしょうか?自慢としてもその辺が伝わってくれません。
添削 盆歌の翁こぶしのよくまわる


楓山人さま
原句 曇り空なみだ無けれど星祭
感想 空の様子を「なみだなけれど」と擬人化しての表現。ただしこの
   擬人化、雨を涙に例えるのは常套句となっています。俳句は詩と
   しての表現ですから、作者の表現としての発見を大切にしたいと
   思います。曇りの七夕。その夜の中での新しい発見。丁寧にその
   夜を観察する必要があります。
添削 笹の葉に雨粒小さき星祭


奈津さま
原句 揉め事はひとまずおきて桃を剥く
感想 このての内容の句は一発できまるか決まらないかです。何のもめ
   ごとでしょうか。やわらかな感触の桃を剥くという行為と、なに
   かの揉め事の対比が面白い作品です。ひとまずを「ひとまづ」と
   して、あとはこのままで結構です。


仲山さま
原句 きようも又外国船入り夏の山
感想 神戸、長崎、函館など日本の港の多くはその背がすぐに山にてい
   ます。掲句は少し遠景から山と船の両方を眺めているのでょうが
   港と山の両方を一句の中に入れるのは難易度が高そうです。港に
   船を入れる際はタグボートが活躍をしています。
添削 白南風や客船を曳くタグボート



杉浦太一さま、高円寺さま、宮本さま、広さま、ふう子さま、紫野さま、
せいちさま、淳子さま、朝子さま、メッセージをありがとうございました。
俳句は17文字の自分詩、そして1日1行の自分史。これからも楽しんで参りましょう。
 

皆さま7月20日

 投稿者:三代川  投稿日:2009年 7月20日(月)04時27分21秒
返信・引用
  長らくお待たせいたしました。ご依頼の添削依頼・質問への回答です。

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高円寺さま
原句 白南風にオリーブの葉きらめけり
感想 オリーブの葉と白南風。良い取り合わせに着目されました。オリ
      ーブには明るい日差しが最も似合います。入力ミスだと思います
      が中七が字足らずになっています。
添削 白南風にオリーブの葉のきらめけり

細谷幹夫さま
原句 耳鳴りもかき消されけむ蝉しぐれ
感想 うっとおしい耳鳴りをも消すような蝉しぐれ。「耳鳴りも」とあ
   るい事は、他の音も消してしまっているということでしょう。
   中七の助動詞「けむ」は過去を回想する「き」と推量の「む」が
   結合したもので。「過去のことを確かにそうとは断定できない」
   という意味になります。
   掲句の場合には現に耳鳴りを消すように蝉が鳴いているわけです
   からこの助動詞の使い方は誤用となります。只今現在の景として
添削 耳鳴りをかき消してゐる蝉しぐれ

峰世さま
原句 遠雷や一人居の闇恐ろしき
感想 家の猫は雷が鳴るたびに腰を抜かします。猫の耳には遠雷の小さ
   な音でも、とてつもなく大きな音に聞こえるのでしょう。掲句は
   雷が鳴る夜の心細さを詠んでいます。中七の措辞の内容をより明
   確にするために一人寝という言葉を使ってみました。
添削 一人寝の闇の重たしはたた神

ふう子
原句 九十九里勢を見せて夏の潮
感想 九十九里は太平洋に面した海岸線で、日本の渚100選の一つで
   もあり、太平洋の広さを実感させてくれるところです。掲句は句
   形としては「九十九里。勢いを見せて夏の潮。」と二句一章とな
   っていますが、句意としては九十九里浜沖の潮が勢いよく流れて
   いた。という一句一章で表現したいものですから、言葉を入れ替
   えて一句一章の形に改めてみました
添削 夏潮の勢の著き九十九里

利祥さま
原句 濃紺の艶肌茄子にかたりかけ
感想 お母さまは茄に何と声をかけているのでしょうか。歳を重ねると
   命ということに対して敏感に、いろいろと感じるようになるので
   しょうか。掲句、表現したい気持ちは何となく伝わってきますが
   このままですと「濃紺の艶肌(が)茄にかたりかけ」という意味
   に誤解されてしまいます。ここでは主語をはっきりさせてみまし
   た。
添削 茄子に声を掛けつつ母がもぎをりぬ


せいちさま
原句 水を打つ向こう三軒両隣
感想 梅雨も明け一気に猛暑です。年々暑さがこたえるようになってき
   ています。その暑さに対処する先人たちの知恵の一つが打水。掲
   句、このままでも結構ですが、中七、下五の言葉が少し常套句。
   作者の新鮮な感動が感じられません。ここは普通の言葉で
添削 両隣にもしっかりと水を打つ

Noraさま
原句 原爆忌あの少年は今いずこ
感想 唯一の被爆体験国としての日本。広島、長崎の経験を風化させな
   い事は私たちに課せられた役割だと思います。掲句、このままで
   も結構ですが、有名な弟を背負う兄の写真をストレートに使って
   みました。
添削 弟を背負ふ写真や原爆忌

紫野さま
原句 もじずりや捩れ異なり隣り合ふ
感想 掲句に句点をふると
    もじずりや。ねじれ異なりとなり合ふ。
   となり二句一章の形です。ですが句意は一句一章。
   これを一句一章にするためには、「もじずりの捩れ異なり隣り合
   ふ」となります。
   ご質問の「会ふ」が良いか「合ひ」が良いかという点ですが、ここ
   では「合ふ(終止形)」となります。
添削 もじずりのねじれ異なりゐたりけり


田中亨吾さま
原句 秘し思ひ
   葉陰にひそめ
   夏椿
感想 俳句は一つの文章ですから段を分けて書く必要はありません。
   これからは一行で表現をしてください。
   夏椿の句。純白の小粒の花の中に何か想いを秘めているようだと
   感じたのだと思いまいます。ただ、思ひにつなげるには「秘する
   思ひを」としなければなりません。
   また、作者が「秘する思いをひそめている」と断定してしまうと
   読者はそれ以上、読み方の広がりを持つことができません。
   感覚ではなく、実感を中心にお詠みになって下さい。

弥太郎さま
原句 気比の海染め灯篭の流れゆく
感想 灯篭流しはお盆の送り火の一つ。流れていく灯篭の灯の映ってい
   る海の表を海を染めてというように表現をされたのだと思います。
   このままでも結構ですが。この景をもう一歩踏み込んで写生して
   ただきたいと感じます。ある意味で「海を染める」という言葉は
   いろいろな場面で使われすぎているように感じます。
添削 流れゆく灯篭気比の海しづか

広さま
原句 立ち葵帰らぬ兵や宇品線
感想 今年を昭和で数えると昭和85年になるそうで、先の大戦の記憶は
   どんどんと風化していってしまうようです。掲句の宇品線は日清
   戦争のときに出征兵士や物資を運ぶために作られ、以降第二次世
   界大戦終了まで重要な軍事鉄道でした。現在は廃線となりその面
   影がかろうじて残っいるようです。掲句、想いとして伝わってき
   ますが句の形が「立ち葵。帰らぬ兵や。宇品線。」と三段切れに
   なりごつごつとした感が否めません。二句一章の句として整理を
   しました
添削 軍港とむすびし鉄路立ち葵

淳子さま
原句 暮れ泥む店百合の香出迎へる
感想 百合の香を嗅ぐと夏を実感します。夏の花の中で最もあでやかな
   ものでしょう。掲句は「暮れ泥む店。百合の香(の)出迎える。」
   という形になり句形としては二句一章となります。また香りが出
   迎えるという表現は典型的な擬人化。擬人化が悪いわけではあり
   ませんが、非常に難しい表現方法でもあります。
添削 暮れ泥む花舗に香れる百合の花

朝子さま
原句 靄晴れて見渡す限り黄菅かな
感想 実際には霧だったと思いますが、霧は秋の季語。言葉の選択が
   難しいところです。山の天気は変わりやすいもの。靄がはれ日
   差しが戻ったところで見た黄菅の色が印象的だったのでしょう。
   ただ、表現としては○○がそうなったから△△になった。とい
   うような報告調であるように感じます。ここは一歩踏み込んで
   その時の景色を考えてみます。
添削 靄晴れて裏磐梯の黄菅かな

杉浦太一さま
原句 大風呂の紅花舟も出羽の旅
感想 一時期、紅花栽培は壊滅状態だったようですが最近では山形の
   特産として復活をしているようです。掲句は出羽の旅でのスナ
   ップ。大浴場に紅花を乗せた船が浮かんでいたのでしょう。
   ただし、紅花舟には無理があります。
添削 大風呂に浮く紅花も出羽の旅

宮本さま
原句 滝すべり子らに混じりて若き爺
感想 最近の遊園地のプールなどには長い滑り台のようなウォータース
   ライダーがあります。掲句の滝すべりは天然のウォータースライダー。
   掲句の三郎の滝の上には龍王を祭るやしろがあるようです。
   いずれにしましても滝滑りは滝という季語を使っておりますが、
   どんな滑りなのか、読者には通じにくいものがあります。どん
   な遊びかが通じるように表現します。
添削 仰向けに転びて子らの滝滑り

ふう子さま、仲山さま、杉浦さま、せいちさま、菅原さま、弥太郎さま、
淳子さま、宮本さまメッセージをありがとうございました
俳句は17文字の自分詩、そして1日1行の自分史。これからも楽しん
で参りましょう。

Anuenueさま、南雲春渓さま、奈津さま、仲山さま、佐藤高行さまメッ
セージをありがとうございました
俳句は17文字の自分詩、そして1日1行の自分史。これからも楽しん
で参りましょう。
 

以上は、新着順11番目から20番目までの記事です。 1  2  3  4  5  6  7  8  9  |  《前のページ |  次のページ》 
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