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お答え

 投稿者:朝妻  投稿日:2009年 7月13日(月)14時19分53秒
返信・引用
  質問 惷昼 のご開示を 投稿者:Anuenue
    [投稿日:2009年 4月 5日(日)の仲山さまの御句への添削]
   【惷昼やゆるりと廻る鳶の影】の《惷昼》に就いてお教えください。
   手元の『大言海』『国語大辞典』『広辞苑』3種の漢和辞典、ネット上の辞書etc.ではわからず、
   複数の俳句関連のデータ・ベースでもヒットしませんでした。。
   なにとぞ《惷昼》or 《惷晝》が掲載されている辞書・辞典・漢籍のタイトルを含めてご開示ください。宜しくお願い申しあげます。
   ※[モンク屋さん]改め[Anuenue]

回答 三代川さん出張中とのことで朝妻が回答します。
   惷昼は変換ミスです。正しくは春昼となります。
   大変失礼いたしました。
   また、ご指摘ありがとうございました。

http://www2.ocn.ne.jp/~riki/

 

質問へのお答

 投稿者:三代川  投稿日:2009年 7月12日(日)10時13分56秒
返信・引用
  佐藤高行さま
質問 うは風に音なき麦を枕もと   蕪村の句
   てにをはの効果を最大限にひきだした句と聞きます。
   助詞「に」のあとにはどんな動詞句が適切なのですか、又助詞
   「を」のあとの動詞句はどんなフレーズになるのですか?
   具体的に教えてください。
回答 回答の前に句意を考えてみますと
    枕元に吹きくる上風の香に、音もなく揺れている麦を感じる。
   というあたりが妥当なところと思います。
   昼寝でもしているのでありましょうか。あるいは病気で伏せって
   いるのかもしれません。いずれにしても枕元に吹いてくる風に熟
   れた麦の香りする。と同時に、風に吹かれて音もなく揺れている
   麦を感じた……という場面でありましょう。
   そこで回答ですが、助詞「に」は体言や形容詞の連体形を受けて
   動詞につながる助詞です。(他に「には」「にも」と助詞にもつ
   ながります)
   するとこの句の「に」は「感じている」を省略する「に」である
   と考えることができます。
   「を」ですが、省略した「感じている」にかかると見ていいと思
   います。

質問 石段を東風ごうごうと本門寺 川端茅舎
   動詞がどのように省略されているのですか教えてください
回答 句意を考えますと
    石段を東風がごうごうと吹く本門寺
   となります。
   ということは「吹く」が省略されていると考えられます。これは
   助詞「と」の働きによるものです。
 

皆さま7月5日

 投稿者:三代川  投稿日:2009年 7月 5日(日)08時27分31秒
返信・引用
  長らくお待たせいたしました。ご依頼の添削依頼・質問への回答です。

ホームページ会員(HP会員)制のご案内
会員の種別
・HP会員 雲の峰は送りません。HPで見て下さい。年会費 6000円
 HP会員は月刊「雲の峰」を送らない以外は俳誌会員と全く同じです。
・「雲の峰」の作品集、課題俳句など全ての欄に投稿できます。
・投稿作品は選句・添削し、「雲の峰」誌、およびHPに掲載します。
・HP会員は雲の峰の句会イベントなど全てのことに参加できます。
http://www2.ocn.ne.jp/~riki/
の、「雲の峰紹介・会員募集中」でご確認頂くか、三代川
17575miyokawajiro@jcom.home.ne.jp
あてにお問合せ下さい。



南雲 春渓さま
原句 道端に咲く紫陽花の美しき
感想 今年の関東地方は適度に雨のある梅雨で紫陽花が見事な色を見せ
   てくれています。掲句、日々眺めている路傍の紫陽花なのでしょ
   うか、それをことに美しいと感じたことで、この句が作られたの
   だと思いますが、作者が紫陽花が美しいと言ってしまうと、読者
   はそれ以上イメージをふくらませてこの句を鑑賞できなくなって
   しまいます。この場合、必要なことは観察であり写生。この風景
   をしっかりと見て、どのようなことがあったのかを描写してみま
   しょう。
添削 紫陽花の揺る下校子の触るるたび

高円寺さま
原句 葭切や艪をきしませて渡し着く
感想 葭切りはその独特の鳴き声から別名「行々子」とも言われていま
   す。掲句はその葭切りと渡舟の櫓の音の取り合わせ。一句の中で
   の同質のもの取り合わせは成功しづらいですが、この句の場合に
   は上手くいっていると感じます。リズミカルな艪の音を掻き消す
   ような葭切りの声。良い情景です。このままで結構です。

仲山さま
原句 天主堂縦長窓の梅雨半ば
感想 確かに天主堂の窓は縦長です。天井が高く塔をもつ天主堂はその
   明りとりとして窓を大きくするために縦長になったのでしょう。
   掲句はその窓から見える梅雨の景色を詠んでいると思いますが、
   文章のキレとして読点をつけると「天主堂。縦長窓の梅雨半ば」
   となり、句の形は二句一章となります。ただ「縦長窓の梅雨半ば」
   の表現が理解しづらく感じました。
添削 青梅雨や窓たて長の天主堂

広さま
原句 原爆忌怒りしままに人は燃ゆ
感想 戦後という言葉がどんどん風化していきます。被爆者も高齢化し、
      の体験の継承も難しくなってくることでしょう。掲句、「怒りし」
      の表現は「怒る」の連用形に過去回想の自動詞「し」がついたも
      ので、掲句の意味は、過去に「怒った」ことがそのまま現在につ
      ながっている人が燃えていることと、原爆忌の取り合わせとなり
      ます。ただ、この中七、下五の意味がムードとしてはわかる気が
   しますが、意味としてはうまく伝わりきりません。
添削 黙祷の影きはやかに原爆忌

利祥さま
原句 田植えたび脱いで一息午後八時
感想 俳句は一行の自分史。それぞれの生活の中から紡ぎだされてきま
   す。掲句もその日常の中に詩情を見つけようとしています。ただ、
   表現として散文的になってしまいました。田植の時期の日の長さ
   は読者と共有できますから、具体的な時間を言う必要はないと思
   います。また、田植に送り仮名は必要はありません。
添削 夕星をあふぎ田植の足袋を脱ぐ

岩田勇さま
原句 すててこや昭和いよいよ遠ざかる
感想 平成も二十一年がたち、昭和という時代がノスタルジックに語られ
   るようになってきました。団塊の世代の最後も今年で還暦。昭和と
   いう時代は遠くなってきています。掲句、「すててこ」の言葉の感
   覚とノスタルジックな感情のギャップが面白みを出していると感じ
   ます。このままで結構です。

奈津さま
原句 枇杷熟るる丘に登れば瀬戸の海
感想 瀬戸内のあたりは温暖で枇杷の栽培にも適していると聞いていま
   す。日当たりのよい傾斜地を利用しての枇杷づくり。その景を素
   直に詠まれています。景のはっきりしたくとなりました。このま
   まで結構です。

ふう子さま、仲山さま、杉浦さま、せいちさま、菅原さま、弥太郎さま、
淳子さま、宮本さまメッセージをありがとうございました
俳句は17文字の自分詩、そして1日1行の自分史。これからも楽しん
で参りましょう。
 

まとめ7月5日

 投稿者:三代川  投稿日:2009年 7月 5日(日)08時24分47秒
返信・引用
  投句、投稿を頂いた皆様ご訪問ありがとうございました。
皆さまの投稿をまとめさせていただきました。


添削のお願い 投稿者:南雲 春渓  投稿日:2009年 7月 5日(日)
道端に咲く紫陽花の美しき
ご近所の道端に咲いていた深紅の紫陽花を見た時の感動を句にしてみました。
よろしくお願い致します。


渡し舟投稿者:高円寺投稿日:2009年7月2日(木)
葭切や艪をきしませて渡し着く
ご指導よろしくお願い致します。

天主堂投稿者:仲山投稿日:2009年7月1日(水)
天主堂縦長窓の梅雨半ば
添削お願いします

添削をお願いします。投稿者:広投稿日:2009年6月28日(日)
原爆忌怒りしままに人は燃ゆ

を投稿者:利祥投稿日:2009年6月25日(木)
田植えたび脱いで一息午後八時
田植えの農作業ですが、朝5:00〜夕闇がくるまで、相当つかれます。
でも川柳かな?

添削のお礼投稿者:ふう子投稿日:2009年6月24日(水)
お忙しい中をご指導有難うございました。

夏館投稿者:仲山投稿日:2009年6月24日(水)
解かりました添削有り難う御座いました

ご指導ねがいます投稿者:岩田勇投稿日:2009年6月22日(月)
すててこや昭和いよいよ遠ざかる

添削ありがとうございました。投稿者:杉浦太一投稿日
懇切なご指導をいただきありがとうございました。
これからもよろしくお願い致します。

お礼投稿者:せいち投稿日:2009年6月22日(月)
「状況そのままを報告したような表現・・・」なるほどその通りだった。
これではだめです。
ありがとうございました。

添削御礼投稿者:菅原正志投稿日:2009年6月22日(月)
添削ありがとうございました。
実景をより詩情のある景にということを学びました。

お尋ね投稿者:弥太郎投稿日:2009年6月22日(月)
光に変更したためメールアドレスを変更したのですが、それ以来添削依
頼が届いていない様子です。(上記のメールアドレスが旧に戻ってしまう
のです)ご教示願います。

添削のお礼投稿者:淳子投稿日:2009年6月21日(日)
ご指導ありがとうございました。
ご指導頂き、少しずつ前進したいと思います。
今後もよろしくお願いいたします。

添削お願いいたします投稿者:奈津投稿日:2009年6月20日(土)
枇杷熟るる丘に登れば瀬戸の海
宜しくお願いいたします

ご指導の御礼投稿者:宮本投稿日:2009年6月20日(土)
ご指導誠に有難う御座いました。
歳時記を検討することの大切さを痛感致しました。今後とも、宜しくお
願い申し上げます・

投稿の皆様ありがとうございます。これからも皆様方の投稿お待ちいた
しております。
 

皆さま6月20日

 投稿者:三代川  投稿日:2009年 6月20日(土)10時43分50秒
返信・引用
  長らくお待たせいたしました。ご依頼の添削依頼・質問への回答です。

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峰世さま
原句 せせらぎの流れの暗き蛍狩り
感想 いろいろな所で清流に蛍を復活させる活動が盛んです。駄目にし
   てしまうのは簡単ですが、それを元の環境に戻すのは非常に難し
   いことです。
   この句のもったいないところは「暗き」の措辞。蛍狩りですから、
   そこは闇が広がっていることは読者は容易に想像します。ここは
   聴覚を強調してみました。
添削 小流れの音のかそけき蛍狩り

ふう子さま
原句 柴又へ五分の渡し夏定か
感想 東京近郊で渡船が残っているのは葛飾区の柴又と対岸の松戸を渡
      している「矢切りの渡し」だけになってしまいました。手漕ぎの
   船で対岸までかかる時間はほんの少しのもの。この句はそのよう
   な情景を詠んでいます。このままでも結構ですが、言葉の順序を
   少し入れ替えてリズム感を強めてみました。また「夏定か」は、
   季語として定着していないように思います。
添削 柴又へ渡し五分や夏きざす

正憲さま
原句 サーファーの皆それぞれの波があり
感想 六月は海が荒れるとかで、サーファーは楽しみにしているとか。
   湘南の小さな波でもサーファーには十分楽しいようです。サーフ
      ァーがそれぞれに波をとらえている風景を「それぞれの波があり」
   と表現をしていますが、それぞれの波という表現が少し曖昧な感
   じがします。
添削 サーファーのそれぞれ波をとらへけり

Noraさま
原句 向日葵も狂ほしげなるゴッホの絵
感想 生前のゴッホは決して恵まれた環境で絵を描けていたわけではい
   いたわけではありません。精神的にも変調をきたし自身の耳を切
   り落しています。掲句はそのようなことを下敷きにした作品と思
   いますが、少し直接的に表現がされているように感じます。
添削 カンナ燃ゆ自画像多きヴァンゴッホ

杉浦太一さま
原句 うららかや水田に影の合掌家
感想 季語ではない水田を使った句。この句のややこしさは水田は田に
   水を引いたあとのもの。ゆえに季節としては夏の風物となります。
   その景に代表的な春の季語の「うららか」の取り合わせ。季感と
   して分裂しているように感じます。
   また「水田に影の……」ですが、これで「映っている」を省略す
   るのは少々無理を感じます。
添削 薫風や水田に映る合掌家

ももさま
原句 点滅や蛍の里の募金箱
感想 ももさまが注目をしたものがなにか、何に詩情を感じたのかがい
   ま一つはっきりとしません。出来ればその時の状況などをお書き
   の上、もう一度投句をお願いいたします。

高円寺さま
原句 小刻みにひくつく瞼朝曇
感想 朝曇りは晴天続きの真夏に朝だけ曇っていること。ということは
   この季語の背景には体に堪えている暑さがあります。それと瞼の
   けいれん。面白い取り合わせです。ただ、瞼*朝曇と名詞同士の
   形で全体が固い印象です。ここは
添削 小刻みに瞼ひくつく朝曇

せいちさま
原句 万緑や筏下りは合羽着て
感想 いかだ下りの状況をそのまま報告したような表現になってしまし
   ました。いかだ下りを楽しまれて、その中で見たもの、聞いたも
   の、触れたものなどに焦点を絞ることによって報告から脱します。
添削 万緑やきしみていかだ瀬を越しぬ

菅原正志さま
原句 捕虫網手にましくらに父走る
感想 昆虫採集の親子連れでしょうか。子供にとって父親とこのような
   時間を共有できることはかけがえのない思い出となることでしょ
   う。実景は父親が走っていたのでしょうが、ここはなにかを見つ
   け親子で走りだしたことにしてみました。
添削 捕虫網手に父と子のかけだしぬ

淳子さま
原句 旅に出るバックに今日もサングラス
感想 常に旅のお供をしているサングラス。俳句は身近なものに詩情を
   見つけだすことです。
   今日もサングラスとしたことで、今日も旅に……、つまり毎日旅
   に出ている印象です。
添削 旅に持つバックにいつもサングラス


仲山さま
原句 夏館グラバー園の隠し部屋
感想 グラバー園の隠し部屋の表現ですと。グラバー園のどこかにある
   隠し部屋ということになってしますます。隠し部屋があるのはあ
   くまでもグラバー邸。そうすると夏舘という季語がふさわしくな
   くなります。
添削 梅雨寒のグラバー邸に隠し部屋

弥太郎さま
原句 白粉の程よくのりて半夏生
感想 半夏生には二つの意味があります。ひとつは七十二候の一つで、
   半夏草(烏柄杓)が生える季節。そして半夏生草という植物。掲
   句はそのどちらのことを詠んでいるのでしょうか。季節の半夏生
   であれば化粧ののりとの取り合わせの句となりますが、陽暦の7月
   2日ごろのことで蒸し暑く化粧ののりは決して良くない時期でしょ
   う。植物の半夏生であれば葉の白いところを白粉に見立てたこと
   となり、あまり面白くありません。ここは半夏生から離れて、
添削 白粉の程よくのりて梅雨晴間

広さま
原句 雲の峰釣り竿一気に宙を切り
感想 竿が宙を切る、という表現はある意味でたとえでありこのような
   表現は一般的によくつかわれる常套句です。俳句であれ何であれ
   詩としての表現であれば常套句ではなく普通の言葉を使って詩情
   を表現するようにしたいものです。
添削 投げ釣りの竿を一気に雲の峰

たけとしさま
原句 どんよりと雲低きかな花柘榴
感想 石榴の花は6月から7月にかけて咲きます。この時期は作者のい
   うとおり雲の多い時期です。曇天の中の石榴の花の明るさを詠ん
   でいますが、上五、中七の表現が同じことを重複して表現してい
   ます。
添削 降りたらぬ街暮れ色や花ざくろ

宮本さま
原句 宵待草歌ひし若き頃をふと
感想 宵待ち草は大待宵草のことで、アメリカからの帰化植物。黄色い
   大振りの花です。よく月見草と間違えて呼ばれることがあります
   が、月見草は白い花で宵待草とは全く異なるものです。この句の
   場合の問題は夢二の歌である宵待ち草が季語として成立するか否
   か。言葉としての宵待ち草は夏の季語ですが、歌謡曲としての
   「宵待草」を季語として扱うのは難しいかもしれません。
添削 夕端居夢二の歌のふと口に

せいちさま、仲山さま、奈津さま、杉浦太一さま、淳子さま、ふう子さ
ま、メッセージをありがとうございました
俳句は17文字の自分詩、そして1日1行の自分史。これからも楽しん
で参りましょう。
 

皆さま5月30日

 投稿者:三代川  投稿日:2009年 5月31日(日)07時50分37秒
返信・引用
  長らくお待たせいたしました。ご依頼の添削依頼・質問への回答です。

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noraさま
原句 蛍手に這わせて幼女身じろがず
感想 幼女がほたるに集中している様子に着目した点は良いと思います。
   子がいきいきと描かれております。このままで宜しいのですが、も
   し本格的に俳句をめざすのであれば文語・歴史的仮名遣いに統一し
   た方がいいかと思われます。
添削 蛍手に這はせて幼女身じろがず

高円寺さま
原句 えご散るや走り根からむ石畳
感想 私の生まれは東京都中野区の江古田(えごた)というところで、
   地名の由来は「えごの木が群生していた」というのが通説になっ
   ています。こぼれるように散り継ぐえごの花。どこかの奥社への
   道すがらの景色でしょうか。走り根が石段に絡まるようにのびて
   いる力強さとえごの花の可憐さの対比が好ましい作品です。この
   ままで結構です。

仲山さま
添削コーナーへの投句は当該期間に1句のルールです。今回2句投句を
いただきましたが、1句のみの添削といたします。
原句 グラバ園一部屋すずし天主堂
   グラバー園緑いよいよ濃くなりて
感想 グラバ園。一部屋すずし。天主堂。
   と三段切れになってしまいました。
   内容的にもグラバー園と近くの大浦天主堂と季語の三つのものが
   並列的に並んでしまいました。また「グラバ園」は正式には「グ
   ラバー園」と表記すべきで、音数を整えるために読み方を勝手に
   変えてはいけません。ここではグラバー園をわざわざ素材に使う
   必要はなく、天主堂に集中をして表現したほうがよいと感じます。
添削 絵硝子の色の涼しき天主堂

淳子さま
原句 夏きざす父子でカヌの昭和村
感想 五月の連休での思い出でしょうか。昭和村でのお孫さんのカヌー
   体験の情景を句としましたが、何となく報告調になってしまいま
   した。また「カヌ」は「カヌー」と表現すべきと考えます。情景
   を全体的に眺めるのではなく。その細部に眼を向けて観察をして
   ください。今回はカヌーをこぐオール(パドルという呼び方もあ
   ります)に焦点をあててみました。お孫さんの笑顔に注目をする
   のであれば、その笑顔の具体的な事柄に踏み込んで表現をしてく
   ださい。単に子の笑顔だけでは読者に感動は伝わってきません。
添削 初夏やカヌーの軽きパドリング

広さま
原句 失せしものぽろり出てくる衣替
感想 更衣(が正しい表記です)で衣服の入れ替えをしていた時の景でし
   ょうか。失くしたと思っていたものが出てきたときの軽い驚きがこ
   の句を作らせたのだと思います。この句で一考を要するのが中七の
   措辞。言葉の順序を少し変えて
添削 更衣失せしと思ふものの出で

奈津さま
原句 薫風やダムに沈みし小さき村
感想 日本の公共工事の代表的なものの一つがダム工事。ダムの建設に
   当たってはいろいろな物語があり、多くの人々が父祖の土地を離
   れていきました。この句もそのようなことを思いながらのもので
   しょう。句型としてはできています。このままで結構ですが、季
   語について推敲をすると一層良くなると思います。
添削 春深しダム湖の底にに小さき村

杉浦太一さま
原句 尾を垂れてビルの狭間の鯉幟
感想 しっかり出来ております。このままで結構です。

せいちさま
原句 釣り上げし鮎の香を嗅ぐ解禁日
感想 鮎の解禁日はこれから。鮎釣りの好きな方はその日を待ち焦がれ
   ているのでしょう。この句は一匹目を吊り上げた後の光景でしょ
   うか。釣り人の心の高ぶりが表現されています。このまま。

ふう子さま
原句 ほつほつと胸襟開く額の花
感想 胸襟を開くという言葉は「心中をうちあける」という意味でつか
   われる言葉。この胸襟を開くのが作者の話し相手なのか額の花な
   のかがよくわからない表現となってしまいました。というよりも
   胸襟を開くという言葉と、額の花の開くという現象を考え合わせ
   てこのような表現となったのかもしれません。
   俳句はあれこれ想像や空想を巡らすのではなく、対象を見つめて
   感動したことを一気に詠み下す……ということでご再考下さい。

岩田勇さま
原句 公園のばら激写せり雨上がり
感想 雨上がりの薔薇はあらわれたようにその色をより強くさせているよ
   うに感じます。そのバラを集中して写真に撮っている作者。ただ、激写と
   いう言葉は、最近のはやり言葉のひとつ。使ってはいけないというわけで
   はありませんが、作者が激写していると言ってしまうと、読者はそれ以上
   のことを想像できなくなってしまいんす。ここは対象に焦点を絞ってみま
   した。
添削 午後の日に余滴きらめく薔薇写す
   余滴は雨のあとの雫というほどの意味です。

無骨さま、宮本さま、菅原正志さまメッセージをありがとうございました
俳句は17文字の自分詩、そして1日1行の自分史。これからも楽しんで
参りましょう。
 

皆さま5月17日

 投稿者:三代川  投稿日:2009年 5月17日(日)18時07分5秒
返信・引用
  長らくお待たせいたしました。ご依頼の添削依頼・質問への回答です。

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菅原 正志さま
原句 代掻きの終えし水田にはや鴉
感想 俳句は発見。新しく見つけたものに作者は感動をおぼえます。良
   い景を見て、そしてそれをしっかりと句にされました。このまま
   でも結構ですが、もう一歩踏み込んで考えてみましょう。代搔き
   は田に水を張って行うものですから。中七の水田の措辞は省くこ
   ができます。
添削 代搔きの済みしに群るる夕鴉


宮本さま
原句 新茶汲む茶柱二本あな嬉し
感想 新茶の季節となりました。淡い緑色のお茶の色が初夏を実感させ
      てくれます。その新茶に茶柱が。それを見て心がうきうきしてく
      る作者。この場合の表現で気になるのが下五の「あな嬉し」。茶
      柱と表現したところで作者の心の軽さは読者に伝わってきます。
添削 茶柱もあわせ走り茶汲みにけり


仲山さま
原句 夏の空英語なまりやグラバ園
感想 春に掲句と同じものが季語違いで出ていました。ご自身の作品を
   ご整理ください。よろしくお願いいたします。


高円寺さま
原句 夕映えの窓の絵硝子棕櫚の花
感想 美しい景色を発見されました。夕映えのステンドグラスと棕櫚の
   花の取り合わせも色の多いステンドグラスと地味な棕櫚の花で、
   つきすぎもせず結構かと思います。難点を言えば素材の多さ。十
   七文字の中に夕映え、窓の絵硝子、棕櫚の花とてんこ盛りになっ
   てしまいました。ここは焦点をステンドグラスに絞ってみました
添削 絵硝子の御子抱く母や春夕焼け


峰世さま
原句 園児らの甲高き声茶葉揺れて
感想 情景としては保育園か幼稚園が茶畑の近くにあるのでしょう。そ
      の子供たちの声が若芽を見せている茶畑に届いている。というこ
      とだと思います。まず、茶葉という言葉が季語として成立するか
      が一つのポイント。春の季語の「茶摘」の副季語としても「茶の
      葉」は見当たりません。季語は俳句の命。季語を使う場合は、充
   分に知っているつもりであっても歳時記で、有無や読み方、意味
   などを確認して下さい。それが俳句上達の基本です。
   また、下五「揺れて」は揺れてゐるの言いさしになっていますが、
   その効果が十分に出ていないようです。より具体的な情景を詠ん
   でみましょう。
添削 茶摘女に列の園児が手を振りぬ

連和さま
原句 山海の珍味にゆれる幼顔
感想 俳句の基本は季語と定型。この作品には季語がありません。まず
   「歳時記」か「季寄せ」と呼ばれる季語の解説書を買ってから初
   めて下さい。
   俳句の中でよく言われる言葉の一つに「常套句」というものがあ
      りあります。その意味では「山海の珍味」という言葉もそれ、読
      み手が山海の珍味だぞと言ってしまうと、読者はそれ以上のイメ
      ージをふくらますことができません。その山海の珍味の具体的な
      事柄に一歩踏み込んで表現をしましょう。また、幼顔がゆれると
      いう措辞でどのような情景を表現したいかがよくわかりません。
      幼顔の主はお孫さんでしょうか。
添削 三代の揃ふ夕べや初がつを

広さま
原句 紫陽花や親亡き里の通り雨
感想 この句に句点を打つと「紫陽花や。親亡き里の通り雨。」という形
   で、紫陽花とご両親が亡くなった故郷に降る通り雨の二つのもの
   をぶつけることで詩的な情感を醸し出しています。俳句を始めた
   ばかりとのことですが、句として十分に出来上がっています。こ
   のままで結構です。この調子でお続け下さい。

Hatirouさま
原句 天高く湯船に浮かぶ菖蒲かな
感想 天高くとありますがこれは「天高し」の連用形。「天高し」は秋の
   代表的な季語です。ということで、季重なりの作品ということなり
   ます。季重なりが絶対悪いということではありませんが、季節感が
   分裂してしまいます。俳句の基本である季語をしっかりと覚えると
   いう意味で、初心の間は季重なりは避けるようにします。
   このままの文章を解釈すると、天高く、湯船に浮かんでいる菖蒲…
   …ということになってしまいます。意味が伝わってくれません。こ
   こでは湯船の中の菖蒲がどのようになっているのかに注目してみま
   した。
添削 銭湯の菖蒲かたまるひとところ

無骨さま
原句 春祭り露店波打つ上り坂
感想 この作品の表現でわかりずらいのが露店が波を打っているという
   ところ。社への上り坂の参道に並ぶ露店の情景を波打つと表現を
   されたのだと思いますが、「波打つは波のようにうねる」という情
   景ですから、多くの露店が続いているということを表現するには
   無理がありそうです。また、「祭」という言葉であれば夏の季。春
   祭は田仕事を始めるにあたって田の神を山から迎え豊作を予祝す
   るものです。その季感をどのように表現しましょうか。
添削 山菜もまじる露店や春祭

Noraさま
原句 新緑にあわあわ群れるエメラルド
感想 芽ぶきから新緑へそして茂りへと、木々の緑は変化してい
   きます。そお時々の葉の色の美しさに感動をし、その感動が句作
   のエネルギーとなります。情景の説明の中で若葉の色が緑の宝石
   のように美しかったことを表現したいということはわかりました
   が、この句をそのまま読むと「新緑にエメラルドがアワアワしく
   群れている」という意味になります。新緑の色をエメラルドに例
   えたかったわけですが、それ自体が新緑の美しさを説明的に表現
   してしまったことになります。その美しさを表現するのには若葉
   がどのようだったのかを写生することから始まります。
添削 柿若葉光こもごも弾きをり
   今回は感想を申し上げましたが、回答日から起算して2週間以上
   空けて下さるようお願いします。


ふう子、菅原正志さま、淳子さま、朝子、せいち、海人さま、奈津さま、
宮本さま、メッセージをありがとうございました
俳句は17文字の自分詩、そして1日1行の自分史。これからも楽しん
で参りましょう。
 

皆さま5月2日

 投稿者:三代川  投稿日:2009年 5月 3日(日)09時01分22秒
返信・引用
  長らくお待たせいたしました。ご依頼の添削依頼・質問への回答です。
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菅原 正志さま
原句 林床に菫耀ふひとところ
感想 句の形、表現として十分できていると考えます。このままで結構
   です。


宮本和美 さま
原句 昼寝して競馬で中てる夢に覚む
感想 してが口語です。また全体が報告調となりました。
   競馬で中てるとしても詩情は出ないように思います。
添削 初夏を馬疾走の夢に覚む


ヨシザネさま
原句 訳ありの相合ひ傘や菜種梅雨
感想 上五の措辞で何となく川柳風になってしまいました。作者は分か
   っているのでしょうが、読者にはどんな訳ありか分からない。つ
   まり、思わせぶりが過ぎるように思います。
   どんな情景なのかを添えてもう一度ご投稿下さい。

高円寺さま
原句 新茶汲む本を机に伏せ置きて
感想 新茶の淡い緑とすっきりした味わいは初夏のもの。何の本をお読
   みなのでしょうか。読み倦みた眼にその色が鮮やかに映ったこと
   でしょう。下五、置きての「て」がだめ押しの働きをしてしまい
   ました。
添削 テーブルに文庫本伏せ新茶汲む

海人さま
原句 つちふるや遠き日にあり引き揚げ船
感想 私の母と兄は中国からの引き揚げで、中国で生まれた一歳にも満
   たない兄を連れての旅は言葉には尽くせないほど大変だったよう
   です。戦争を知らない世代が圧倒的に多くなってきました。その
   悲惨さをどのように次世代に伝えていくのも俳句の力かもしれま
   せん。原句、三段切れになりました。言いたい事は伝わるのです
   が、ごつごつとしておりますので
添削 つちふるや引き揚げ船の着きし津に

奈津さま
原句 一瞬の風にぼうたん崩れけり
感想 大輪の牡丹の花が風に散ってしまった様子を。崩れると把握しま
   した。大振りの花びらが散ることでその色を一層際立てせたかも
   しれません。一瞬風が吹いた……にやや違和感があります。むし
   ろ、一瞬にして崩れたのではないかと思います。たとえば
添削 ありなしの風にぼうたん崩れけり

仲山さま
原句 つつじ咲く外国船は5万トン
感想 五万トンの巨大な船を見て、感動をされたのだと思います。ただ
   外国船は5万トンとして、それに詩情があるかどうか、また感動
   が読者に伝わるかどうかというと難しいものがありあます。
   季語についても一考を要します。
添削 岸壁に寄る客船や鳥雲に

たけとしさま
原句 里山に木々の沸き立つ五月かな
感想 新緑の木々の若々しさを「沸き立つ」と表現をしましたが、この
   表現がどこまで作者に伝わるかが掲句のポイントでしょう。また
   五月とした場合多くは「さつき」と読み、現在の6月をさします。
   ここは少し抑えた表現で。
添削 里山に木々のさやぎや夏来る

峰世さま
原句 葉桜や霊園墓地の契約書
感想 少子高齢化はお墓のありかたも変えてしまいそうです。一人っ子
   同士の結婚の場合はその両親の墓をどのように造りどのように管
   理していくのかは難しいところです。掲句も生前にご自身のお墓
   をつくられたのでしょうか。俳句は短い詩です。「霊園」「墓地」
   も同じ意味の言葉ですので二重に使うのは表現としてもったいな
   い話です。それに代わる言葉を探してみました。
添削 桜蘂散るや寿陵の契約書(寿陵=生前に造っておく墓)

淳子さま
原句 清閑に淡き桜の昌徳宮
感想 昌徳宮( チャンドックン)は世界遺産に登録された韓国の宮殿。
   そこには美しいしだれ桜があるそうで、掲句はその風景。一本だ
   けのしだれ桜の風情を清閑で淡いと表現をしましたが、この言葉
   を二つ並べてしまうとどうしても説明っぽくなってしまいます。
   ここでは形容詞を使わずにやってみました。夕桜で派手な満開の
   桜ではなく落ち着いた感じにしてみましたがいかがでしょうか。
添削 夕桜韓の故宮の甍越し

ふう子さま
原句 糠雨や葉桜映ゆる池之端
感想 この句に句点をうつと「糠雨や。葉桜映ゆる池の端」となり。二
   句一章の句。糠雨と葉桜の映えている池之端の取り合わせとなり
   ます。ただ、池の端に葉桜が美しいということの報告から抜け切
   れていないように感じます。ここは一句一章で
添削 糠雨に葉桜映ゆる池之端

杉浦太一さま
原句 屋根替や飛騨に総出の結の衆
感想 白川郷の合掌造りの屋根替えでしょうか。結は「結合」のことで
   労働力の交換の制度。この句の場合であれば屋根替えの仕事をお
   互いに助け合うことになります。
   作品は原句通りで結構ですが、但し五箇山や白川郷にいきますと、
   案内に必ず「葺替は結と言って……」とあります。従って類想の
   多い作品となります。ご自分なりの詩情の発見にお努め下さい。

朝子さま
原句 ぼうたんの香りほのかや今朝の庭
感想 純白の牡丹が七輪も咲いたとのこと。冬の芽のふくらみのころか
   ら花を心待ちにされていたことでしょう。この句の形は「ぼうた
   んの香りほのかや。今朝の庭。」というように句点がつき。牡丹
   と庭の二つのものの取り合わせの句ですが、作者の句意は今朝の
   庭に牡丹のほのかな香りがしたということだと思いますので、
添削 ぼうたんの香りほのかに今朝の庭

せいちさま
原句 惜しむこととは愛づること桜散る
感想 日本人の桜に対する思い入れは大変なもので、俳句の世界で花と
   言えば桜のことと同時に、いろいろな場面での桜に感動し感情移
   入をしています。掲句の場合はその感情をストレートに表現して
   しまいました。そうすると、読者は作者の感情移入以上の景色で
   読むことはできません。その意味でも「まずは見たまま」の写生
   を心がけてください。
添削 散る花にしばし佇みゐたりけり

岩田勇さま
原句 子羊の生まれたばかり青き踏む
感想 良い景を発見されました。ただ、この句の場合は句の形としては
   「子羊の生まれたばかり。青き踏む。」となり、作者が青きを踏
   んだのか、子羊が青きを踏んだのか分かりません。また青き踏む
   は旧暦3月3日の野遊が発端。としますと、人が青き踏むなら季
   語ですが、子羊が踏んでも季語となりません。
添削 生まれたる子羊も見て青き踏む

noraさま
原句 いちごにはミルクたっぷり青い空
感想 三月に出されていた他の方の作品に非常によく似ています。

   原句 いちごにはミルクたっぷり空ははれ
   感想 どことなく口語調が漂う作品。このままでいいと思います。

   俳句には類句、類想はつきものですが、類句類想といことは、誰
   もが作りうる俳句ということです。作者独自の詩情把握にお努め
   下さい。

仲山さま、正憲さま
メッセージありがとうございました。
俳句は17文字の自分詩、そして1日1行の自分史。これからも楽しん
で参りましょう。
 

皆さま4月18日

 投稿者:三代川  投稿日:2009年 4月18日(土)19時02分36秒
返信・引用
  長らくお待たせいたしました。ご依頼の添削依頼・質問への回答です。

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高円寺さま
原句 桜蘂踏みてバス待つ列につく
感想 ご質問のように歳時記には桜蕊降るとして掲載されています。桜
   蕊としても勿論季物なのですが、「桜蕊降る」は降っている蕊や萼
   や柄に桜の季節の終わりを感じるという点がその本意本情となっ
   ているからと思います。つまり単に散り敷いている桜蕊では季語
   としての情感が足りない……ということなのでしょう。
   桜蕊だけを季語としている例句もあるには有るのですが、「桜蕊降
   る」を取り上げている大方の歳時記は副季語・派生季語としても
   「桜蕊」を取り上げておりません。
   俳句のバイブルは歳時記。ここははやり歳時記に従って参りまし
   ょう。
添削 バスを待つ列に降りくる桜蕊

仲山さま
原句 涼風の顔にうけて春終わる
感想 涼風は夏の季語、春終わるは春。夏から始まって春に戻った印象
   になります。俳句ができたら季重なりはないか、言葉遣いは正し
   いかなどと考えてから出す習慣を身につけましょう。
添削 行く春の小風を頬に受けにけり

峰世さま
原句 葉桜が揺れて一つを思い出し
感想 葉桜がゆれたから何かをおもいだした。何々して何々になった。
   というように原因と結果のような表現になってしまいました。ま
   た、一つ思い出すという表現については作者のこだわりを感じま
   すが、読者には何を感じているのか伝わってくれません。ここは
   思い出したことを具体的にします。たとえば
添削 葉桜や通学をせし坂の道
   なお、何を思いだしたのかなどを句の説明として書いて下さると
   作者の意図に近い添削ができると思います。


正憲さま
飛花落花派遣社員と云ふ身分
という句が差別表現であるか否かのご質問ですが、ここでは「派遣社員
という身分」の表現についてだと思います。派遣社員という言葉そのも
のは差別語ではありませんが、それが身分であるとの表現は差別的な表
現に思われても仕方がないと考えます。
作者が派遣労働者である場合には〈飛花落花派遣社員の吾が肩に〉すれ
ばいいでしょう。しかし他の第三者を見て派遣社員……という場合は詩
として成立しがたいものがあるようです。

Noraさま
原句 噺家の肩をするりと薄羽織
感想 好きで寄席に行きます。一番近いのは池袋演芸場。昼席の前座の
   話も聞きにいきす。季語としては少し早いですが、寄席らしい景
   をとらえています。ここでは「肩をするりと」の表現があいまい
   です。実際にどのようにして羽織を脱いだのかをしっかりと見て
添削 真打の後ろ手に脱ぐ夏羽織

淳子様・仲山様・杉浦太一様・ふう子様・桜野ひすい様・せいち様
高円寺様・ヨシザネ様・菅原正志様
メッセージありがとうございました。
俳句は17文字の自分詩、そして1日1行の自分史。これからも楽しん
で参りましょう。
 

皆さま4月5日

 投稿者:三代川  投稿日:2009年 4月 5日(日)21時37分7秒
返信・引用
  添削を通して俳句を学習します。1回に1句のみお寄せ下さい。・続けて
添削を希望する方は、回答日から起算して2週間以上空けて下さい。
・質問やご感想はご自由に書き込んでください。・尚、掲載された文章は
月刊「雲の峰」に紹介させていただく場合もありますのでご承知おき下さい。
・始めての方は、トップページの「俳句を始めたい人へ……俳句小講座」をお
  読みになってから投句して下さい。

http://www2.ocn.ne.jp/~riki/riki/kotoba.htm
俳句文語文法覚え

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皆さま4月4日
長らくお待たせいたしました。ご依頼の添削依頼・質問への回答です。

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・俳誌会員 従来通りの会員。毎月雲の峰を送ります。年会費12000円
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仲山さま
原句 春の空鳥はゆっくり影落とす
感想 春の駘蕩とした情景。鳶でしょうか。大きな羽を広げた影が地
   に映っているいるのでしょう。だた、ゆっくり影落とすの措辞
   がいま一つ不明確な表現に思います。ここは鳥の影がゆっくり
   と動いている位の表現にしてみます。
添削 惷昼やゆるりと廻る鳶の影

岩田 勇さま
原句 出初めはいつも筍ごはんかな
感想 近くに竹藪がいくつもあり、四月の末から五月の初め筍の季節。
   歳時記では「夏」に分類されています。筍ごはんの作り方や具と
   して入れるもので各家庭の味がでるように感じます。
   この句は上五。中七の口語的な表現と、「かな」のぶんご表現の混
   在。そこをポイントにして
添削 初ものは筍飯と決めてをり


高円寺さま
原句 たつぷりと春水浴びせ海豚ショー
感想 イルカショーの風景。イルカが観客に水槽の水を浴びさせている
   のでしょうか。それともイルカに係員が水を浴びせているのでし
   ょうか。そこがはっきり分かりません。またいずれの場合にして
   もこのような水に、春の水という季節感があるかどうか、そこも
   検討したいところです。とりあえず
添削 春風や水跳ねあげてイルカショー

菅原 正志さま
原句 小半時雉子に眼奪はるる
感想 良い情景をご覧になりました。それをすかさず一句に。ですが句
   形がぎくしゃくした印象です。
添削 雉子に目を奪はれゐたり小半時
   と表現すべきところでしょう。
   しばらく雉の様子をご覧になったのであれば、その雉がどのよう
   であったか。どのように動作をしたか。その周りには何があった
   のか、ということを句にされたほうが、結果として作者が雉に眼
   を奪われていたということが伝わってくると思います。その辺り
   を具体的に詠んで下さい。


高円寺さま
質問
 花冷を5音にするため「花の冷」とするのは問題だと鷹羽狩行氏(「俳
句」20年1月号)が言われていますが、大家と呼ばれる人の句にも「花
の冷」があります。「花の冷」が不適かどうかは、所属する結社の主宰の
見解次第と言うことでしょうか?
回答
 該当の記事を読んでおりませんので何とも言えないのですが……。
 花冷を5音にするため「花の冷」とするのは問題
という指摘そのものは正しいように思います。熟語、成語に「の」をつ
けて字数の調整をするという風潮が少なからずありますね。その風潮へ
の警鐘という意味での発言ではないでしょうか。よく見ますと「花の冷
え」にはどこか稚拙感が潜んでいます。
 ただし、花の冷えは花冷えの副季語として歳時記に掲載されてしまっ
ておりますし例句も多数あります。これを季語ではないとするのは今と
なっては遅きに失した……ということでしょう。
 俳句詠みの矜恃(プライド)として、「花の冷え」を使わない、安易に
「の」を使って字数調整をしないという姿勢が大切なように思います。
 そんなことでご質問に対するお答えは、各自がそれぞれの意見でいい。
しかし言葉に安易に「の」を挿入してしまうのはいかがなものか……と
いうことにさせて頂きます。


峰世さま
原句 花冷えに尚も色増す紅を引く
感想 今年は開花後の気温が低く花が長持ちをしているようです。まさ
   に花冷えの毎日でした。「その冷え故に紅を濃く引いた」というこ
   とだと思いますが、「色増す紅」の表現に無理があるように思いま
   す。句型として一句一章ですが、ここでは花冷えと紅の取り合わ
   せの句としてみました。
添削 花冷えや一人居の濃き紅をさす

ヨシザネさま
原句 春闘の声や天から雨を呼び
感想 今年の春闘は労働者にとって厳しい結果になりました。不況の中、
   非正規社員の首切りなど問題は山積しています。さて、この句の
   場合は春闘の声が雨を呼んだという意味になり、典型的な擬人化
   となってしまいました。擬人化はいわゆる作者の主観です。作者
   の思いをストレートに表現してもなかなか読者の共感は得づらい
   もの……。ここはデモ隊のありようを写生してみましょう。
添削 春闘のデモ隊に雨至りけり

滝口健一さま
原句 春雨や築地に新た地図描き
感想 土塀に雨が染みている景。その染みを地図にたとえたわけですが、
   そのことが句意を分かりづらくしているように思います。描きと
   擬人化したことにも一考を要します。
   なお春雨は木の芽どきに静かに降る細かい雨をさします。染みが
   大きくなるという風情の雨ではありません。ここは春霖などの方
   が似つかわしくなります。
添削 春霖や染みいちしろき築地塀
    いちしろき=著き(形容詞)の連体形

淳子さま
原句 巣づくりの鴉の番睦まじき
感想 番で巣作りをしている景でしょう。それを睦まじいと感じた作者。
   その思いを睦まじいと言わずに表現したいものです。
添削 巣づくりの連れを見守る鴉かな

桜野ひすいさま
原句 九十九の大往生や花の雨
感想 大叔母さまのことを思い出しての句。お年には不足のない大往生
   だったと思います。昨年の出来事……とのことですので、ここで
   は大叔母のことをふり返って
添削 花の雨白寿の叔母の在りし日を

無骨さま
原句 白木蓮記憶をたどる花在り処
感想 「記憶をたどる花在りどころ」という措辞が読者には理解できな
   いと思います。基本的には「記憶をたどる花の在りどころ」で、
   記憶の中の花のあるところ。という意味であると推測しますが、
   「の」の助詞は省略が出来ません。
   またこの部分の表現は作者の思いが直接的に表現されていて読者
   にはそこまで読みきれないと感じます。何がしかの思い出のこと
   を言うのであれば
添削 白木蓮母の声音をふと耳に
   いずれにしても読者に意味の伝わるように表現するということ、
   そして何とか定型に納めるということにも気を使って下さい。

ふう子さま
原句 竜の玉はじく雨粒あをかりき
感想 下五の「あをかりき」の「き」は助動詞で過去の回想を表すもの。
   ここでは、「雨粒が青くあったなー」という意味となります。つま
   り過去の回想。季語は多くただ今現在のこととして考えますので、
   この作品では現時点がいつなのか分からなくなってしまいます。
   ご質問の上五のあとの「の」は省略できるかということについて
   ですが、名詞のあとに動詞が続く場合には省略可能です。しかし
   その後の文体により省略できないこともあり一概には言えません。
   ここはもっと平易に
添削 雨粒の残る葉陰に竜の玉

Noraさま
原句 号令を受け一斉に咲く桜
感想 句意は号令を受けて桜が一斉に咲きだしたという、桜を擬人化し
   た作品。擬人化の手法のそのものが悪いということではありませ
   んが、なかなか成功しづらい表現方法です。ここでは桜がどの様
   に咲き出したのかを写生してみましょう。
添削 地に触れんばかりに咲ける桜かな

せいちさま
原句 憂きなこと多きこの世の桜かな
感想 いやなことの多い昨今、そのものをストレートに詠んでいますが、
   その分詩情の広がりが感じづらくなってしまいました。
   俳句は何かに感動したり、発見をしたりして生まれます。原句は
   何にどのように感じたのかが分かりません。もう一度、物に即し
   てお詠みになって下さい。

仲山さま
原句 春の空英語なまりのグラバ園
感想 「英語なまりのグラバ園」という表現ですとグラバ園が英語訛り
   を話しているということになってしまいます。多分英語訛りの外
   国人に話しかけられたということを表現したいのだと思います。
   またグラバの表現も固有名詞ですからここでは「グラバー園」と
   長音の省略はできません。
添削 のどけしや英語交じりに尋ねらる

杉浦太一さま
原句 揃ひきて幼も拝す彼岸寺
感想 なになにをしてなになにをやった。という感じで少し報告調にな
   ってしまいました。この情景はそのままに
添削 揃ひきて幼と拝す彼岸寺

皆様メッセージ、をありがとうございました。これからもお待ちいたしております。
俳句は17文字の自分詩、そして1日1行の自分史。これからも楽しんで参りましょう
 

以上は、新着順21番目から30番目までの記事です。 1  2  3  4  5  6  7  8  9  |  《前のページ |  次のページ》 
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