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皆さま
長らくお待たせいたしましたご依頼の添削・質問への回答となります。
本年も皆さま方とご一緒に俳句を学んでまいりたいと考えております。どうぞよろ
しくお願いいたします。
雲の峰のご案内
会員の種別
・俳誌会員 従来通りの会員。毎月雲の峰を送ります。 年会費12000円
・HP会員 雲の峰は送りません。HPをご覧ください。年会費 6000円
HP会員は月刊「雲の峰」を送らない以外は俳誌会員と全く同じです。
・「雲の峰」の作品集、課題俳句など全ての欄に投稿できます。
・投稿作品は選句・添削し、「雲の峰」誌、およびHPに掲載します。
・HP会員は雲の峰の句会イベントなど全てのことに参加できます。
ご入会をお待ちしております。詳細は雲の峰HP
http://www2.ocn.ne.jp/~riki/
の、「雲の峰紹介・会員募集中」でご確認頂くか、三代川
17575miyokawajiro@jcom.home.ne.jp
あてにお問合せ下さい。
菅原 正志さま
原句 艶めける竹もて均すどんどかな
感想 どんどは吉書揚などともに「左義長」の傍題。十四日もしくは十五日の朝に行われる
もので、今では正月の注連飾りや松飾りを焼く行事になっています。掲句の場合の表
現として少しわかりづらいのが「竹もて均すどんどかな」の表現。均すとしますと、
多くは灰を均すように感じます。しかしコメントを拝見しますと火の勢いを調節とあ
りますので表現したいことがずれてしまったようですね。
また艶めけるは余分かな……という印象です。竹はこの場合脇役ですので、それほど
強調しなくともいいように思います。
添削 青竹をもて猛らするどんどの火
ひかりさま
原句 み空から続きたまふか雪の影
感想 直接的な句意は「雪の影は空から続いているのだろうか」ということになろうかと思
います。しかし「み空」という接頭語、「たまう」という尊敬語、雪の影の「影」な
どが句意を曖昧にしてしまいます。いわゆる主観の強い作品。ひかりさんの主観が全
面に出ているため、何に感動し、何を表現しようとしているのか読者には伝わりにく
くくなってしまいました。
まずは句作の対象物をよく見る。そして感動した部分を読者に伝わるように表現する
ことをおすすめします。(これを一般的に「写生」と言っております)。
もし影が光やものの姿ではなく、雪に光が当たってできる影というのでしたら
添削 影持たで降りつぐ雪を仰ぎけり
という位で我慢しましょう。
ふう子さま
原句 遠ざかる夜番の声や煽ち風
感想 一年で一番寒い季節で、冬型の気圧配置で太平洋側は空気が乾燥し、火事のニュース
がたえません。掲句、遠ざかる火の用心の町内の夜回りの声が「煽ち風(あふちかぜ)」
の音の中に急に小さく聞こえるようになったのはドップラー効果のせいかも知れませ。
んこのままで結構です。
菜津さま
原句 ケータイの時報の明かり冴ゆる夜
感想 入門書をお読みとのこと、これから俳句を一緒に学んでまいりましょう。
句の意味は携帯電話の画面の明かりが、冴える夜に仄明るく見えたということでしょう。
単にケータイといえば携帯電話をさす世の中。時報の明かり(正しくは明り)とあり
ますので、携帯電話であると特定できます。
なお「明り」とここで言い切らず、下五まで続けた方が、勢いがでるように思います。
添削 ケータイの時報明るき寒夜かな
高円寺さま
原句 手袋に缶コーヒーの温みかな
感想 健康のためにウォーキングをやります。今の季節はウインドブレーカーを着ていても
冷えが体の芯に迫ってきます。掲句は寒い中で缶珈琲の温みを手袋越しに感じている
風景。このままで結構です。なお、温しが春の季語ですので、それとのまぎれをなく
するという意味で「皹の手に缶珈琲をつつみけり」などとしても結構です。
岩田 勇さま
原句 冬木の芽どれも一徹居士のやう
感想 冬木の芽を一徹居士のようだったと感じたことをストレートに詠んでいます。このよ
うな表現になると読者は作者の主観や感情の枠以上に作品を鑑賞できなくなります。
俳句は十七文字の短い詩型であるため、主観が表に出すぎている表現になればなるほ
ど読者の鑑賞の余地が減ってしまうことになります。冬木の芽が寒さの中でしっかり
と命を内包している様子をそのものを注視することで表現をしてみてみましょう。
添削 地にふるるほどの枝垂や冬木の芽
りんどうさま
原句 暖房車座るなり通帳見る男
感想 電車の中の風景でしょうか。座席に座るなり貯金通帳を見ている男に面白みを感じ
たのだと思いますが、読者にはその面白さ(ある意味では作者の感動)が伝わって
来ないように感じます。もし作者ご自身がそうされたのであれば面白いのですが、第
三者が面白い行動をしても中々俳句にはなりにくいのが現実。
句形ですが、暖房車。とここで切れておりますが、ここは「暖房車に」と助詞「に」
を省けないところです。また、椅子やベンチは座るよりも掛けるという方が妥当のよ
うにも感じます。ここは暖房という暖かな印象(季語の本意本情)を生かして
添削 暖房の電車に一つ乗り過ごす
投稿者:楓山人さま
原句 蝋梅や山うすら日に道祖神
感想 良い風景に目をつけられました。ほとんど出来上がっていると思いますが、一点表現
上での問題は「山うすら日」。正確には「山のうすら日」ということでしょうか。こ
の句で言いたいことのポイントは、臘梅と薄い日差しの中にいる道祖神の二つ。わざ
わざ山であるということを言わなくても良いと思います。
添削 臘梅や淡き日差しに道祖神
八一郎さま
原句 時雨るゝや線香燻ぶる泉岳寺
感想 高輪の泉岳寺は赤穂浪士四十七名とその主君であった浅野浅野内匠頭が葬られている
ことで有名で、いまでも多くの人々がその墓を訪れています。掲句、句の形としては
十分できています。但し、この景は多くの人々が詠んでいる景でもあります。もう一
歩踏み込んで、泉岳寺を見てみると新たなものが見えてくると思います。このままで
結構です。
杉浦 太一さま
原句 買初の去年に忘れしものひとつ
感想 面白い着眼点だと思います。句の形としても十分にできていますので、このままで結
構です。
仲山さま
原句 冬の海グラバー園より眺めけり
感想 長崎は海からすぐにせりあがるように街ができています。掲句のグラバー園は南の山
手にあり、眼下に長崎港、指呼に長崎の町並みが見えます。その情景を素直に句にさ
れていますが、その分少し情景の報告になってしまった様に感じます。眺めるという
措辞は、もともと作者がある情景を見て句を作っているわけですから、省ける言葉の
でしょう。また、中がは八文字の字余りとなっています。字余りの場合は頭に持って
くると、調子が安定します。ここは思い切って上八の破調にして、
添削 グラバー邸より海越しに冬の街
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